ゲームの著作権問題

人気ゲーム「桃太郎電鉄」シリーズを巡り、ゲームクリエイターのさくまあきらさんと、著作権の保有者であるコナミデジタルエンタテインメントが、ネット上でバトルを繰り広げてゲームファンの注目を集めている。お互いの言い分が食い違うなど不明な点も多いが、業界の話をかいつまむと、さくまさんは権利譲渡を視野に入れつつも開発の継続を望んでいる一方、コナミ側にはその意思が感じられない…というのがおおよその流れのようだ。
ある零度のクオリティーのゲームを出せば片っ端から売れる華やかな時代は過去の話で、業界の競争を勝ち抜くためのゲーム会社同士の合併は珍しくなく、買収した企業の方針に従えないゲームクリエイターが退職するのもまたよくある話だ。そして独立したクリエイターが、かつて自身が手がけたコンテンツを再発信したいと思うのは理解できる話だが、そこに著作権という問題が立ちはだかる。実は今回のような権利関係のもつれはよくあることだ。ゲームを作るのはゲームクリエイターだが、彼らは社員の業務としてコンテンツを生み出すこともあり、ゲームの著作権は会社に帰属するからだ。
企業側も1990年代前半から、コンテンツの著作権についてクリエイターと争う事態を恐れていたので、予防線を張ることを忘れていなかった。クリエイターが退職するとき、「あの部分のプログラムは自分が書いたから権利がある」とか「あのキャラクターは自分が作った」という権利主張をされることを嫌がっていた。各社の法務部や総務部が、法的拘束根拠はないにもかかわらず、同業他社への転職、勤務上知りえた知識を流用した開発などの禁止事項なども盛り込み、念書に押印を強いるのは珍しい話ではなかったそうだ。
しかし、中には独立・起業するクリエイターが退社の際の条件に自身が開発したコンテンツの権利料を設定し、新作が出るたびに一定の印税が入る契約を取り付けた猛者もいるそうだ。
開発ツールの簡易化と普及、デバイスの多様化などコンテンツを作ることが容易な時代になってきた。しかし、それらが複雑に入り組んだ時、著作権の問題が起こらないとは限らない。
企業に属していない、一般の人でもソフトやツールを使用すればゲームを作ることも可能となり、フリーゲームや同人ゲームとして配布・販売しているものから爆発的な人気を得た作品も少なくない。版権の問題は泥沼にならないよう、関わる人すべてに配慮してほしいものだ。