怪人二十面相

初登場作品『怪人二十面相』の冒頭で、「人を傷つけたり殺したりする、残酷な振舞は、一度もしたことがありません。血が嫌いなのです」と説明されており、劇中で二十面相自ら「僕は人殺しなんかしませんよ」と公言している。『少年探偵団』のラストでは、自分もろともアジトを爆破し、明智らを巻き添えに爆殺すると脅したが、実際に爆発が起きたのは明智らが避難した後だった。『怪奇四十面相』では火事場に孤立した小林少年を「小林をたすけなければ・・・」との言葉を吐いて、我が身の危険も省みず救出に飛び込む場面もあり、「血がきらい」という「紳士盗賊」らしさを見せている。ピストルや短刀はほとんど使用せず、捕虜にするため小林少年らに痛い思いをさせることはあるが、虜囚にした後は虐待せず、丁重に扱っている。

しかし、これも『怪人二十面相』の冒頭の解説で「併し、いくら血が嫌いだからと言って、悪いことをする奴のことですから、自分の身が危ないとなれば、それを逃れるためには、何をするかわかったものではありません」と述べられ、「東京中の人たちはただこの一事を恐れ、二十面相の噂ばかりしている」というのが物語の出だしだった。