カラス食用化研究

害鳥として捕獲したカラスの有効利用に向けて、総合研究大学院大学の飯塚直樹助教が、平塚市で食用化などの研究に取り組んでいるそうだ。先月下旬には同市で講演会を開き、調理法や撃退装置を紹介した。
同市の土屋地区や吉沢地区には農地や酪農家が多いが、10年程前からカラスによる作物や肥料への食害に悩まされ、ここ数年は年間約300羽を捕獲しているという。塚原さんは昨年4月から同市や地元の協力で、捕獲したカラスの食用化や、音声を使った撃退装置の研究を進めているとのこと。
不吉、迷惑などと嫌われがちなカラスだが、研究の結果、胸肉には現代人に不足しがちな鉄分や亜鉛分が多く、コレステロールが低いなど栄養面で優れていることが分かった。また、微生物や残留農薬などの検査でも、人の健康に被害を与えるような要素はなかったという。
海外ではフランスやリトアニア、韓国などで食べられているそうだ。国内では長野県上田地方におからや野菜と混ぜて焼いた「カラス田楽」などがあるが、まだほとんど食用化されていないのが現状だ。そこで、臭みを取り除くために燻製にしたり、赤ワインで煮込んだり、カレーの具材にしたりと色々な調理方法を考案しているという。
10月20日に同市上吉沢の吉沢公民館で開かれた講演会では、塩コショウだけで味付けした胸肉の燻製を提供し、地元住民ら約40人が試食。牧場を経営する浜田昌伯さんは「カラスというと、道端で猫やハクビシンなどの死体を食い散らかす姿をよく見かけ、良いイメージがない。でも肉はクセもなく、意外とおいしかった」と驚いていたそうだ。
また、カラスの平常時と異常時の鳴き方を組み合わせ、超音波スピーカーで流して追い払う装置も披露した。
塚原さんは「カラスは高たんぱく、低脂肪で、調理法によっては臭みもなく、おいしく食べられる。将来的には食料危機の際に役立つはず。まずはこうした事実をより広く伝え、カラスのイメージを変えていきたい」と話している。
カラスは生ごみを漁ったり、動物の死体に群がったりと良いイメージもなく、衛生的にも不安なためなかなか食べるという発想はなかったが、栄養価も高く健康にも影響がないのであれば、あとはおいしければもっとカラスの食用が広まりそうだ。